『日本の医療制度は社会主義的側面を持つもので資本主義である日本のシステムにはそぐわない』
これは現行の医療制度に反対する方達から時々出てくる話です。確かに言葉だけ見れば日本の医療は社会主義的な構造を持っています。誰でも自由に、平等に、診察や治療が受けられる制度だからです。クリントンが日本の国民皆保険制度を真似ようとした事からも、日本の医療制度はメリットが多いのです。次のデータを見てみましょう。
防衛 |
教育 |
保健 |
社会保障等 |
経済・サービス |
その他 |
|
日本 |
6.3 |
7.9 |
0.8 |
17.8 |
13.8 |
53.4 |
韓国 |
20.1 |
16.8 |
1.0 |
11.2 |
18.8 |
32.1 |
イギリス |
9.9 |
3.3 |
14.0 |
32.5 |
6.6 |
33.7 |
ドイツ |
6.4 |
0.8 |
16.8 |
45.9 |
9.7 |
20.4 |
フランス |
6.0 |
7.0 |
16.1 |
45.5 |
5.0 |
20.4 |
アメリカ |
19.3 |
2.0 |
17.1 |
31.7 |
6.2 |
23.7 |
カナダ |
6.8 |
2.7 |
4.6 |
41.9 |
8.7 |
35.3 |
いくつかの国の中央政府歳出の使途別構成(1993年:%)
(国勢社:'96/97世界国勢図絵より. 世界銀行「世界開発報告」、大蔵省「財政統計」による)
これによると社会保障などに税金を多く使っているドイツ、フランス、カナダ、イギリス、アメリカ等の先進自由主義国に比べて、日本は半分から半分以下の税金しか拠出していません。しかも、保健に対する出費はこの7カ国の中で最低です。国がこの程度の出資しかしていないのに、なぜ平均寿命は世界一なのでしょう?
それは日本の医療システムが早期発見・早期治療を可能としているシステムだから、という事ができます。