仕事の合間を見計らって南紀の自然を堪能してきました。
昨夜わざわざ新宮に宿を取ったのには理由があって(本宮からなら田辺市街のほうが断然近い)、実はボクは数日前から「永六輔病(どこか遠くに行きたい病)」が発病していたのである。夕方の田辺での打ち合わせに間に合わせればいいのだから、朝目覚めて既に田辺に居たのではちと寂しいではないか。朝新宮なら、ゆっくり時間をかけて田辺入りできる。第一いちいち和歌山市に帰ってたらコストがかかりすぎる。
昨夜、ホテルの風呂の脱衣場に張ってあった観光地図を見て、そうだ、国道371号を北上して紀南縦断しよう、と決めたわけです。
新宮市内で給油。リッター135円とかでビクーリしました。
これは国道42号を走っていても気付くことですが、紀南の山々はゴツゴツして面白い形をしています。ツブが粗い、というか、そんな感じ。
国道371号へは東からなら那智勝浦からでもアクセスできますが、ここはあえて永六輔病患者らしく串本からルートイン、ゴツゴツの山の間を駆け抜けます。
清流を右手に見ながら北上すると突然現れる一枚岩。ただのガケのように見えますがさにあらず。そのイカツさは近くで見ると判りますな。ちなみにdocomoが繋がるのはここでギリギリ。
そこからさらに川に沿って北上、奥深い小集落、平井地区に入ります。結構な村なのにdocomoが繋がらないという、県内に残された数少ない桃源郷の1つといえるでしょう。近所には湯の花温泉とかもありましてなかなかのもんであります。春になれば川沿いの桜並木が素晴らしい。
前日からの雨であちこちに滝が見られました。地元の方手作りによる浄水槽が素晴らしい水飲み場。ワンカップのカップが備え付けられてました。ネイチャ野郎の心を理解しておられますな。
平井からさらに北上すると、国道371号はブチ切れているポイントがあります。
国道の癖に行き止まり、ってどうよ!?ずっと前から気になっていたんですが。さあ、この先がどうなっているのかを見極めるのが、本日の最大の目標なのでありました。
まあ結構普通の3ケタ国道な感じではありますな。淡々と続きます。それほど路面も荒れていません。ところで、切り株に笠を被せた様なものが道路脇の岩面にいくつも置かれていますが、これは熊野特有の養蜂箱です。お墓とかそういうもんじゃござんせん。
こんな奥深いところに道祖神がひっそりと。林業関係の人等は普通に使う道なのでしょうねえ。ここでもあちこちに小さな滝が見られました。マイナスイオンに溢れております。
なーんだ、普通じゃねーかよーとか思ってると急に道が荒れだし、大き目の落石が道を塞いでおりました。やっぱ誰も通ってないやんけ!理工系出身のボクはすかさず倒木を使い、力点→作用点→支点の変則テコ原理を応用して石をどかしました。30分かかりました。ひとりで何やってんだろう、オレサマ。でも誰かの役に立った満足感、priceress。
急に荒れだしたアスファルトをゆっくり踏みつつさらに登坂することおよそ30分、ついに舗装が途切れました。先は山越えして向こう側の371号断片に続いているようです。ここでようやくボクの大人リミッターが働き、本日夕方に大事な打ち合わせが田辺である事を思い出して踏みとどまりました。
要するに、R371は続いているんだけど、山の高い部分だけ国道認定されていないと。舗装さえされていないと、そういうわけですな。全て舗装して国道として貫通してしまえば、かなりいい道になると思うんですけどねえ、まあ余り通行量の無いところは国道にしても仕方がないと、そういう感じでしょうか。
先ほどの分岐店まで戻って普通ルートに戻る事にします。
王の川林道。まあやはり林道なんですけど、舗装された1.5車線で非常に走りやすい。かなりの高さを一気にのぼり降りするルートで、変化に富んでいて楽しいのでボクは好きです。
厳しい斜面を水が流れ落ちる様。やはりかなりの雨量だったようです。道は当然滑りやすいので注意しつつ杉の林と雑木林を交互に走り抜けます。
野趣溢れる岩肌が最高です。がしかし、落盤・落石・路肩落ちも普通にあるので多少ビビリましたが。
一気に下って北側のR371に接続。
ここからは山間部の村落の合間をのんびりと走り、しばらく行くとバス釣り野郎達には御馴染みの合川ダムに到着。おおとう山遊館で一休みして、田辺に向かいました。
昨日、今日で気付いた、というか、感じたのは、田辺市広すぎ!って事。熊野本宮も田辺市なんすから。合川ダムも田辺市。なんだかなあ。「ようこそ!カモシカの里・大塔村へ」の看板が「カモシカの里・田辺へ」に切り替えられてたのは、いかがなものかと思いました。そのままでいいやん、まじで。
最後に、デカすぎですBigU。