きのうはPCオジサンと一緒に、一日かけて、PC4台をオペした。やはり一日中オジサンとツーショットなのは精神衛生上よくないので、次は女装でもしてきてもらおうと思います。
オジサンとツーショットで画面をボンヤリ眺めているわけにもいかないので、いろいろと雑談をしたわけですが、非常に面白い話をいくつも聞くことができました。さすがだ、オジサン。
ボクの中で先日よりホットなのが『和歌山ディープスポット調査部』企画なのですが、実はそのオジサンの実家は和歌山市内の由緒正しい神社でして、だったら倉庫とかあるでしょうと、我々に探検させてくださいよと、なんか変なもんが絶対出てきますよと、面白半分に申し込んだところ、ごめん、先日わしが探検したところだ、残念でしたと。なによ、このオジサン自身がかなりのカルトハンターでした。2000年に金屋町のとある寺で重要文化財のご本尊が盗難にあって突然出てきたと話題になった件、あれの第一発見者が彼でした。年季が入っているだけに深い。和歌山城の堀なんぞよりもずっと深い。
で、県内の寺社仏閣、旧家の倉庫は面白いんじゃないか、という話になって、彼がおっしゃるに、きっともうビックリするようなものに巡り合うのは難しいんじゃないかと。それはなぜよと。
そういう寺社仏閣を訪ねてみて、お茶を出された時、その茶器がピエールなんちゃらとかのちょっと聞いたことのあるようなブランド物だったりすると、そこの倉庫にはもう何も無い可能性が高いという。それには、ここ何年かの一部の古物商の活動が関係しているらしい。
古物商達は、古い寺社仏閣や旧家の蔵に目をつけ、巡回しているんだそうです。そして、免許をかざして蔵に入り込み、ブツをあさる。そこで悪い奴らは、家主が目利きできないのをいいことに、金になりそうなもの一切合財を安く買い叩いて、もしくは処分してあげましょうといってロハでサルベージしちゃうらしい。そこで、代わりにこれあげますからと、ちょっと名の知れた食器セットを置いてかえるのが手口なんだそうです。勝手に持っていかれたとか後で言われないように。ちょっとひどいよねえこの話。そして、そんな話は、テレビの「なんたら鑑定団」やらで「お宝」とかが話題になり出してから顕著なのだと。
もうね、あまりにリアリティのある話なので、ショックで一瞬体が硬直してしまいましたよ。文化財というか、文化的歴史的に価値の高いもの、または、古物商的コレクター的に価値の高いものが、人知れず古い倉庫の奥に眠っている可能性は高いと思うし、そういうもんは一日の元に晒さないとガラクタに過ぎんのだ、もったいない、という価値観は理解できなくも無いけれど、それはそこにあるから価値があるのだとか、金に代えられない価値もあるのだという、ただの「モノ」を超えた「存在」みたいなもんを尊重したいものだなあと、そういう事がかもし出す「魅力」を感じていきたいよなあと、結構真面目に思ったわけであります。
(写真は和歌山市大谷古墳出土・兵馬冑 記事には無関係)