4月の大型寒波による遅霜の被害は、柿・梅などの果樹、野菜など、22億円にも上っている事がわかり、県は農家に総額3億円の特別融資を決めた。
今回被害が大きかったのは紀北の柿と紀南の梅で、柿は新芽が霜焼け状態になり枯れる樹木が目立ち、全栽培面積の26%にあたる748haが被害をうけ、14億2400万円の損害と見られている。
また、南部町や南部川村、田辺市の梅は、全栽培面積の18.7%にあたる748haで、種子が黒ずみ商品価値が損なわれる被害が出て、6億8800万円の損害と見られる。
また、キュウイフルーツ3300万円、ビワ5100万円などあわせて、被害総額は果樹だけで22億600万円にのぼり、このほか野菜の被害も2600万円程度と見込まれている。
今回の被害額は、遅霜の被害としては昭和62年の38億円に次ぐ被害で、県は農家が農地を取得するときなどに利用される補助金を一部流用して、被害農家に総額3億円の特別融資を実施するする事を決めた。
各農家への融資限度額は未定だが、貸付金利5%のうち県が1.8%を利子補給する事になっており、のこりの3.2%についても各市町村が利子補給できないか働きかけていく。