豚と猪をかけ合わせた「イノブタ」の町、すさみ町のパロディ王国「イブ王国」で、本物の結婚式が行われた。
イブ王国は特産の?イノプタをアピールすると同時にすさみ町の観光の目玉にと、11年前に「イノブブータン王国」として建国したが、ブータン政府から「名前が紛らわしくブータンのイメージを損なう」とのクレームにより「イブ王国」に国名変更して、毎年ゴールデンウイークに建国祭を行っている(国名を変更した年はブータンの来賓が出席し、その後、両国の関係は良好である)。
今年も3日に建国祭が行われ、毎年恒例のイノブタダービーやアームレスリング選手権などの行事が繰り広げられ、およそ3万人の人出で賑わったが、今年は新築されたばかりの城で大阪私立大学法学部助教授の安竹貴彦さん(33)とまきささん(24)の結婚式が行われた。
親類はもちろん観光客が見守る中、貴彦さんは淡いブルーのタキシード、まきささんは純白のウエディングドレスで式に臨み、三々九度、玉串奉てんとおごそかな神式の式が進む中、仲人のイノブータン大王と王妃(のぬいぐるみ)が「ブヒ、ブヒ、ブヒ、」(和訳…この王国をふるさとと思い、末永くおつきあいしてください)と祝辞を述べた。
二人は大学のゼミの先生と教え子のカップルで、「結婚式は一生の思い出、普通とは違った式にしたい」とウエディングカップル募集の記事を見たまきささんが応募し、申し込みのあった27組の中から選ばれた。
式を終えて新婦の父、和生さん(45)は「結婚式は出席者に見て楽しんでもらって、祝ってもらうもの、こんな特色のある式ができてうれしいね。」と話しており、また、王国の総理大臣の桂 功町長から名誉国民の勲章を受けた貴彦さんも「大学に帰ったら勲章をつけて授業をします。」と上機嫌だった。