紀陽銀行は9日、ベンチャービジネスへの投融資を行うベンチャーキャピタルの専門会社「紀陽キャピタル」の設立を大蔵省近畿財務局に申請した。
計画によると「紀陽キャピタル」は資本金5000万円で和歌山市の本店内に事業所を設置し、早ければ今月中の発足を目指しいる。
紀陽キャピタルの投資・融資の限度額や担保制度など内規の詳細は明らかにされていないが、紀陽銀行は「どれだけのニーズがあるかは未知数だが、事業の性格上短期の利益よりも長期的なスタンスを重視する」としている。
「技術はあるが運転資金がない」と言ったような将来有望だが経営基盤が弱いためになかなか銀行からの融資を受けられない企業を育成するため、低金利で資金を投資・融資して事業の育成をはかるものです。
ベンチャーキャピタルは、他社にはないユニークな技術、ノウハウを持ち、将来性はありながらも実績がないことや経営基盤が弱いことから銀行などの融資を受けられないベンチャー企業への投資を業務にしている会社のこと。
一般的には、公開前のベンチャー企業の株式を取得し、株式公開時の値上がり益(キャピタルゲイン)によって利益を上げるが、投資先への支配力が過度に強まり、独占禁止法で禁じられている持ち株会社化するのを防ぐため、公正取引委員会が厳しい投資規制を課していた。
しかし、円高の進行で産業空洞化の懸念が強まり、ベンチャー企業育成の重要性が叫ばれるようになったため、公取委も大幅な規制の緩和に踏み切ったため、金融機関や証券会社系を中心に全国で約百二十社がベンチャーキャピタルの事業を行っている。
関西の銀行系では三和銀行が95年7月に、無担保融資制度や投資を盛り込んだベンチャー企業支援策をスタートさせたほか、池田銀行は大阪府とともに女性の起業家を対象にした「ニューワークバンク」を展開している。