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●県内地銀3行、平成8年3月期(平成7年度)決算 96/5/24


24日、県内地銀三行の平成八年三月期決算が明かになり、今期は各銀行とも不良債権の処理を積極的に進めたため、紀陽銀行は戦後初の赤字決算に、阪和銀行と和歌山銀行は少額の黒字と厳しい決算となった。

まず、紀陽銀行は銀行本業の利益を示す業務純益は過去最高の214億3400万円と堅調だった。しかし、業務純益と株式の売却益およそ三三〇億円など、あわせて730億円を不良債権の処理にあてたため、経常損益は193億1000万円の赤字となった。

この処置により紀陽銀行の不良債権は、関連ノンバンクの金利減免債権220億円のほか和興開発分を含む元利延滞債権700億円など、総額で1412億円となり、このうち回収不能分は今後3年で償却し平成9年3月期は20億円の経常黒字を見込んでいる。平成8年3月期の貯金総額は2兆8482億円。

一方、阪和銀行は平成8年3月期の業務純益が35億1300万円となっているが、住専向け債権を含めた不良債権の処理に業務純益35億円と有価証券の売却益17億円などあわせて57億円をあてたため、経常損益はかろうじて5000万円の黒字となった。

今期末の不良債権は440億円としており、支店の統廃合や人員削減などのリストラをすすめ不良債権は今後2〜3年で償却のめどをつけるとしているが、阪和銀行は今期末の貯金総額が5150億円で前年に比べ300億円減少している。

また、和歌山銀行はこれまでにも支店の統廃合など合理化を進めており平成8年3月期の業務純益は35億2000万円と去年を8億1000万円上まわったが、こちらも不良債権処理のため経常利益は5億9000万円にとどまっています。

和歌山銀行は不良債権が今期末で212億円と和歌山の地銀の中で一番少なく、平成8年度も21億円程度の償却を予定しており、経常利益は11億7000万円を見込んでいる。平成8年3月期の貯金総額は3666億円。


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