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●和歌山市内の中小商店で使える共通商品券「ナイスカード」、発行 96/3/1


和歌山商業協同組合(加盟850店)は、大規模スーパーや郊外型大型小売店に流れつつある顧客を取り戻そうと共通商品券「ナイスカード」を発行した。

「ナイスカード」は1000円券と500円券の二種類が発行され、組合の加盟店およそ150店で販売され、和歌山市内の中小小売業者、飲食業やガソリンスタンドなどおよそ1000店で使える。 消費者はカード販売店でカードを購入する際には無税で、カードで物品を購入する際に消費税がかかる。

和歌山商業協同組合は、中元・歳暮の贈答用や、イベントの景品など初年度に6億円の売上げを見込んでおり、将来は、タクシーでもカードが使える方法を考え、年商を20億円に引き上げたいとしている。

当初、この共通商品券は昨年の春に発行する予定で計画が進められてきたが、発行が一年遅れた理由は、カードを運営する仕組みについて意見がまとまらなかった点にある。

全国の都市や商店街で運営されている商品券は、商品券の流通管理費と発行業務の経費を捻出するために、加盟小売店からいくらかの手数料を徴収するのが普通であるが、和歌山市の場合は、組合が一般加盟店から手数料を取るのではなく、カード販売店が組合からカードを購入するするときと、流通したカードを組合で換金する時の換金率に差を付ける方式でカードの運営経費を捻出することにした。

つまり、 カード販売店は組合から1000円券を980円で購入する。
カード販売店は消費者にカードを1000円で販売する。
消費者は他の加盟小売店で使用(額面どうりの買い物ができる、もちろんおつりもでる。)
加盟小売店が組合で換金する時は1000円券で970円の現金が得られる。

こうする事により組合には1000円券が一枚流通するごとに10円の差額が残る事になる。

今後の課題は、百貨店やスーパーの商品券との相互関係で、百貨店やスーパーでナイスカードが使えるようにするとカードの流通量が多くなり、カード販売店の収益があがるが、反面、小売店の顧客がさらに大型店に流れる恐れがある。

この点について和歌山市商業協同組合の東 稔副理事長は「ナイスカードは流通して初めて運営資金が出る仕組みになっているため、まず流通することが第一。百貨店やスーパーの商品券が大量に金券ショップに流れている現状を見ると、組合が公的な金券ショップを開設するのもひとつのアイディアと思う。」と話している。


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