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●日銀、松下総裁、景気は「回復軌道に戻る基盤は整いつつある」 96/1/23


日本銀行の松下康雄総裁は23日、全国支店長会議であいさつし、日本経済の現状について「経済活動の持ち直しの兆しが次第に明確となってきており、回復軌道に戻る基盤は整いつつある」との認識を改めて示した。

松下総裁は、景気が「回復軌道にある」との明言は避けたが、「需要・生産の持ち直しに加え、企業収益の好転、物価下落テンポの緩和などもあって、経済主体の先行きに対する見通しも緩やかに回復している」と話した。

ただ、持続的な成長軌道に乗るためには「回復のけん引力が、設備投資や個人消費などの民間需要に、円滑に引き継がれていかなければならない」とし、この点で「なお、不確実性が残っている」と指摘した。金融政策にあたっては「現在の緩和姿勢を維持することにより、景気の回復を強力にサポートしていく」との方針を強調した。

政府の住宅金融専門会社(住専)処理策や預金保険制度の拡充策などについては「国民の理解を得たうえで、早期かつ円滑に実施されることが喫緊の課題」と指摘した。


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