和歌山県が去年一年間に発行した旅券は4万3332件(対前年比26.3%増)で2年連続で過去最高を記録した。
ここ10年ほど旅券の発行件数は月平均2000件程度であったが、関西空港開港前月の一昨年8月から急増し、ピークの去年7月には4324件に上り、人口1000人当たりの旅券発行率は、全国29位から24位に上昇した。
受券者を年代別に見ると20代が13151件と全体の30.3%をしめ、ついで40代、30代となっており、男女別では初めて女性が男性をわずかに上回った。
県国際交流課は「関西空港の開港、円高による海外旅行の低価格化が要因。特に20代の女性や60代以上の高齢者の発行件数が伸びており、この傾向はまだまだ続きそう。」としています。
しかし、旅券の発行件数自体は去年でも全国32位と決して多いとは言えず、この背景にはこれまで、和歌山県が国際線を利用する場合非常に不便で、海外旅行を思いとどまっていた人が多かった事を表している。
また、円高により海外旅行が安くなった事は、白浜や勝浦といった観光地を抱える和歌山県にとっては観光客の減少、低価格化による収益の低下など複雑な問題も含んでいる。