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●和歌山県工業技術センター、不飽和ポリエステル樹脂やFRP樹脂のリサイクル技術確立 96/2/28


和歌山県工業技術センターは田辺市のボタンメーカーと共同で、不飽和ポリエステル樹脂及びプレジャーボートなどに使われるFRP樹脂の廃棄物を再合成てしてリサイクル技術を開発した。

不飽和ポリエステル樹脂は加工が簡単な反面、加熱するとさらに固くなり、燃やすと有害物質がでると言う欠点があり、これまで廃棄物の処理やリサイクルに苦慮していた。

この不飽和ポリエステルをボタンの原料として使用している、田辺市の「宮惣ケミカル」は廃棄物の処理方法の研究を和歌山県工業技術センターに持ちかけ、平成5年度から共同研究していたが、このほど、樹脂を分解再生する技術を確立し、さらに栗本鐵工所がテストプラントを開発し、実用化のめどかついた。

処理方法は、アルコール系のグリコール溶液で、ある触媒を用いて、およそ230度に加熱して樹脂を分解すると言う簡単なもので、この分解溶液から、ほぼ同じ強度の樹脂を再合成できる。 また、処理コストも安く、純原料から不飽和ポリエステルを合成するよりも10〜20%も安いと言う。 しかし、いまのところ再生樹脂の色を抜く技術は確立できておらず、再生を繰り返すたびに徐々に黒くなるのが課題だ。

同じ技術を応用して、プレジャーボートなどに利用されるFRP樹脂も処理できることがわかっており、すでに国内、海外9ヶ国に特許を出願しており、和歌山県工業技術センターは「不法係留、投棄のプレジャーボートの処理には世界中が頭を悩ませている。この方法によりプレジャーボートの処理も可能になり、世界的に注目されると思う。」と話している。


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