住友金属は平成8年度に和歌山製鉄所の高炉や製鋼工場などいわゆる上工程に大幅な設備投資を行い世界最高水準の生産体制を整える事を明らかにしました。
これは5日、中村為昭社長の年頭訓辞で明らかにされたもので、平成八年度から九年度にかけての新中期計画の戦略的投資として和歌山製鉄所の設備投資が強調されました。
設備投資の具体的な内容や投資額については、今年三月頃に決定されると言うことですが、和歌山製鉄所では現在、およそ八〇〇億円をかけてシームレスパイプの新しい生産設備を建設中で、大型投資が継続される事になり、地元経済界では早くも設備投資の波及効果を期待する声がでています。
住友金属は平成6年度から三年計画で、全社で4500人を削減するリストラを進めてきましたが、当初の予定より一年早く、今年度で目標を達成し、和歌山製鉄所でも自然退職・出向などで1000人程度の削減に成功しました。
このこともあって平成7年3月期は三年ぶりに80億円の経常利益を上げ、また、和歌山製鉄所で建設中のシームレスパイプの新生産設備が、来年2月に稼働し生産効率が向上するに加え、長年の懸案であった西防波堤埋立地の用途変更問題に解決のめどがたった事が、大型設備投資の要因になっています。