昨年、NHKの大河ドラマ「徳川吉宗」がきっかけとなった吉宗ブームで、和歌山市はじめ和歌山県内の観光地は賑わった。この経済波及効果を財団法人和歌山社会経済研究所はおよそ100億円と見積もった調査結果を発表した。
この調査で、和歌山社会経済研究所は観光客の宿泊やみやげ物購入などの直接効果と、二次波及効果とに分けて算出する方式をとった。
まず、観光客のめやすとして、和歌山城の入場者を基準にしたが、これによると昨年の入場者は前年よりも15万8000人の増加、さらに、和歌山マリーナシティで開かれた「八代将軍吉宗展」の入場者およそ54万人とあわせて、ブームで増えた和歌山市の観光客を69万8000人と算定している。
社会経済研究史は、さらに観光客の一部に聞き取り調査をした結果から推測して、交通費9億2000万円、宿泊費23億3400万円、飲食費13億600万円、みやげ物代9億8000万円として、直接消費額は65億4640万円と推定している。
これに、関連産業の雇用者の所得増とそれにからむ消費増を39億8000万円を合わせると波及効果の総額は105億2000万円としている。
94年に和歌山市の和歌山マリーナシティで開催された「世界リゾート博」の経済波及効果600億円には及ばないものの、社会経済研究所は「埋もれていた観光地の再認識に役だった、これをブームに終わらせない努力が必要だ。」と指摘している。